南西フランスで生きる

元モンテッソーリ幼稚園教諭が綴る、フランスの教育事情、南西フランス生活、フランスの妊活事情など、ゆるりと更新

フランスの首都、パリ(リアル編)

今回は、前回の続きパリのリアル編を書きます。

“花の都、パリ”、“愛の街、パリ”なんて言われますが、実際住んでみて知った部分を紹介したいと思います。

確かに、映画のよう!、あぁ素敵だなぁ。きれいだなぁと思う場面に出会うこともあります。エッフェル塔がキラキラ光る、シャンパンフラッシュと呼ばれるものをみたときなんかはそんな時。

カップルもよくラブラブ、イチャイチャしていることも多く愛の街といわれるのも、納得することも。老若男女とわずなので、とても微笑ましくロマンチックな光景です。

パリのカップ

ただ、綺麗なだけじゃない、リアルなパリ事情。

 

まず一つ目のリアルポイント、メトロや駅構内のアンモニア臭。

お掃除をしている人は見かけるものの、どことなくずっとトイレの香り。

メトロの看板なんかは写真映えしますが、臭いがお届けできなくてよかったことの一つ。

ただ、無料で、アルコールジェルのミニボトルを配ったり、春分の日には花の鉢植えを配ったりすることもありました。

春分の日に配られた鉢植え

音楽を奏でる人も多く、音楽をして客引きしてもいいですよっていう指定の場所でする人もいれば、急にメトロに乗ってきてパフォーマンスをしてお金をお願いする人も。日本の昔でいう“流し”という感じでしょうか。うまい人の時は聴き入ってしまいます。

弾き語りを始めるおじさんとそれを聴く子どもたち

たぶん、ジプシーやホームレスの人たちだと思いますが、お金をくださいとお願いする人もいたり、席で寝座っている人もいたり、スリもいたりと、メトロ・駅構内はあんまり治安がいいものではないかもしれません。私も、慣れてからはイヤフォンはしていましたが、乗るときは少し気が張っていたかのように思います。

旅行でくる場合は、ブランド物のバッグは持って乗るのはやめたほうが良いかもしれません。あとバッグはチャック付きがおすすめ。リュックの場合は前で持って乗ることをお勧めします。あんまりキョロキョロ、オドオドすると狙われる確率が上がると思うのでドンとしているのも大切だと思います。絶対パンツやスカートのポケットに携帯や財布をいれるのはNGです。

ネガティブなことが多く書いてしまいましたが、パリのどこにでも通っているので、荷物が多くなく、住むような体験したい人の移動にはメトロがおすすめです。歩ける人は断然徒歩がおすすめ。ガイドブックにも載っていないお店屋さんが見つかるかもしれません。

 

二つ目は、ストライキ、デモが多い!

事前に警察に届けて行うストライキはニュースや大使館からのメールでわかりますが、届け出のないストライキがあることも。

特に交通機関ストライキがあると、大変です。一日だけならまだしも、終了日未定の場合も。初めて働き始めた年に約2か月間のストライキがあったときは、ほぼすべての交通機関が止まり、通勤往復徒歩で3時間なんてこともありました。

デモ中の人々

ただこれも、民主主義の国フランス。自分の権利は全力で訴えます。嫌いじゃないけれど、通勤とかで自分にとばっちりがくるとイラっとします笑

ストライキもですが、突然メトロや電車、バスがよく「この電車(バス)はここまででーす。降りてください、」と言われても、みんな、「あぁまたか」、「もー、くそっ」と文句を言いつつも、自分たちで次のルートを探したりと臨機応変に対応することに慣れている感じ。

 

三つ目は、道の落とし物、ごみが多い。

上を向いて歩いてはいけないといわれるほど、道が汚いパリ。

特に飼い犬の後始末をする人が少ないのが悲しいところ。歩けば棒ではなく犬の落とし物にぶつかってしまいそうです。

ごみ、たばこの吸い殻、ガム、鳥や犬の落とし物が必ずあるといっても過言ではないほど。きれいだとあっ掃除したてなんだなとわかります。掃除も、綺麗なみずを流して終わり。よく水が道路の端をながれていることがありますが、これは下水ではなくきれいな水を使っているとのことで環境に良くない、もったいないと少し問題視されているのだそう。

ごみが多いので、ハトやネズミなんかも多く見かけます。

日本のように持ち帰る習慣はあまりないので、特に祝日や天気がいい日の次の日の、公園のごみ箱周辺はネズミのレストラン化して身震いしてしまいます。

道端の鳩

これは写真や映像ではなかなか撮られない(撮っても編集されてしまう)パリのちょっと残念ポイント。

 

四つ目は、サービスは店員さんのご機嫌と仲の良さ次第。

ある程度高級なところに行けば、もちろんサービスも最高です。

ただ普通のカフェはそうはいきません。サービスは店員さんのご機嫌次第なんてことも。もちろん、前提としてこちらから、にっこりと挨拶をすることは必須です。日中ならボンジュール、夕方以降ならボンソワーと一言、入店時にいうのが基本。言うと言わないのでは店員さんの態度が違います。あとはご機嫌とどれだけ常連なのかという仲の良さ次第。

あと、子ども連れだと、店員さんも、もっと優しいかもしれないです。子ども、家族連れに優しいのはこういったサービスだけでなく、日々の生活でも感じます。メトロの駅にはエレベーターやエスカレーターがついているところが多くないので、ベビーカーを持ち上げて手伝っている姿をよく見ます。

一服休憩中のウェイターさん

たばこを吸う人も多いのは店員さんも例外ではなく、吸うときはお店から一歩出て吸っている光景をよく見ます。これも絵になってしまうと思いませんか?

 

五つ目は、物価が高めだということ。日本食はラーメン一杯15ユーロ(2000円、2022年9月のレート)が普通。ごくごく普通のカフェのランチでも、14~20ユーロが一般的ではないかと思います。食費を抑えたいのであれば、自炊がおすすめ。

自炊ができる環境であれば、マルシェと呼ばれる路上市場で新鮮な食材を買って季節の料理を楽しむのもあり!

マルシェの八百屋さん

バターやチーズなどの乳製品は日本よりお得に購入できるかと。旅行でいらっしゃる場合は、真空保存して冷凍で持って帰ってもいいかと思います。7区にあるボンマルシェ、グランドエピスリーという高級スーパーでは真空保存のサービスを行っているかと思います。

La Grande Epicerie de Paris: https://www.lagrandeepicerie.com/fr/index

38 Rue de Sèvres, 75007 Paris

 

六つ目は、芸術の街であることです。

芸術・音楽好きにはたまらないでしょう。美術館はもちろんのこと、アトリエもたくさんあります。また、さきほども書いたようにメトロでもですが、街のいたるところで即興音楽演奏が始まったりすることも。

街角での即興演奏とそれを聴く人々

音楽でいえば、一番のイベントは毎年夏至の日に行われる、音楽祭(Fête de la musique)がおすすめ。パリだけでなくフランス中の街のいたるところで、深夜まで様々な演奏が行われます。

音楽祭の様子

住めば都といいますが、いろいろ言っても、やはり嫌いじゃなかったパリ。

楽しいことばかりではありませんでしたが、あぁ楽しかったなぁ、満喫したと思うパリ生活でした。

 

パリシンドロームという言葉もあるくらい、パリに幻想を抱いて来てしまうのと幻滅してしまうこともあるでしょう。

こんなところもあるんだなぁってことを知って、それでもパリに来て、その滞在を楽しんでもらえたらうれしいです。

 

読んでくださって、ありがとうございました。